沖磯フカセ釣り完全攻略|瀬渡し(渡船)予約から安全対策・マナーまで徹底解説

フカセ釣り

 沖磯(おきそ)フカセ釣りは、陸からは届かない大物や魚影の濃いポイントを狙える、釣り人にとってまさに夢のフィールドです。
しかし、初めて挑戦する方にとっては、瀬渡し(渡船)予約や装備、安全面、そして釣り場でのマナーなど、わからないことが多いのも事実。
 この記事では、私が五島列島や九州近海で実際に沖磯釣行を重ねて学んだことを、初心者〜中級者にもわかりやすく解説します。
 実際の失敗談や、船長から教わった役立つ情報も交えていますので、次の釣行前にぜひ参考にしてください。

1. 沖磯フカセ釣りにおける安全意識

磯釣りに潜む危険と安全確保の基本

 沖磯は絶景と魚影の濃さが魅力ですが、同時に自然の厳しさも隣り合わせです。
初めて沖磯に立ったとき、私はその壮大な景色と、電波も届かない秘境感に胸が高鳴りました。
「今日は絶対に大漁だ!」と根拠のない自信に満ちていましたが、その日のうちに何度もヒヤリとする場面を経験します。

  1. 渡礁時に荷物が海へ落下
     船から磯に飛び移る際、バッカン(道具入れ)が磯から滑り海へ…。幸い浮いてくれたため速攻で回収できましたが、海に沈めばその場で釣り終了でした。
  2. 足場の悪い崖のような場所での釣り
     岩肌は波や潮で常に濡れており、滑りやすくなっています。油断して魚とのやり取り中に移動した際、海水で濡れた足場で足を取られ、竿を折ってしまったこともあります。

安全の基本チェックリスト

  1. 滑り止め付きスパイクシューズを履く
  2. ライフジャケット(必ず膨張式ではなく磯用の固形浮力材タイプ)を着用
  3. 天気・潮位・風向きを事前確認
  4. 荷物は極力まとめて持ち運ぶ

2. 渡船予約のステップ

渡船予約の手順と船長とのやり取りのコツ

 沖磯釣行は、基本的に渡船を利用します。予約は電話が主流で、前日の夕方までに行うのが一般的です。

予約の流れ

  1. 釣行希望日・人数を伝える
  2. 出船時間と集合場所を確認
  3. ターゲット魚種と希望の磯を伝える(なければ「おまかせ」でOK)
     私が印象的だったのは、ある船長とのやり取りです。
    その日は「クロ(メジナ)が釣れているのは右流れ、タナは3ヒロ半(約5.25m)だよ」と、具体的な情報を教えてくれました。結果、そのアドバイス通りの釣り方で40cm級の良型を手にできたのです。

ポイント

  1. 船長は毎日海を見ている情報の宝庫
  2. 人間関係を築くと、釣れる磯に優先的に上げてもらえることも
  3. 積み荷の時間もあるので集合時間の1時間前には行くようにしましょう

3. 沖磯釣行に必須の装備と持ち物

命を守るライフジャケットとスパイクシューズ

磯用ライフジャケットは浮力材が内蔵されており、膨張式よりも信頼性があります。
スパイクシューズは、滑りやすい岩場での必需品です。
この2点はないと渡船を利用できませんので必ず準備しましょう。

安全性が増すグローブ・小物類

磯場は岩肌がとがっていたり、フジツボがいたりします。けがを防ぐためにも釣り用グローブを準備しましょう。
また、瀬渡しは夜が明ける前に磯場へ渡ることも多くあります。足場を照らせるよう頭につけることのできるヘッドライトを用意しましょう。

実体験

以前、スパイクがほとんど摩耗した磯靴で釣行したところ、移動が怖くて釣りに集中できませんでした。
新しいスパイクシューズに履き替えた途端、足場の移動がスムーズになり、釣りの時間を快適に過ごすことができるようになりました。

4. 渡礁から帰港までの行動とマナー

渡礁時の立ち位置確保と荷物管理

 渡船の積み込みや渡礁時は、自分の番以外でも積極的に荷物を運びましょう。
初めてだと「自分の荷物だけで精一杯…」と思いがちですが、積み込みや積み下ろしは意外と時間がかかります。他の人の道具を手伝うことで早く終わり、長く釣りをすることができます。さらに接岸時は大変危険です。接岸時間をなるべく短くするためにもみんなで協力しましょう。
 さらに、渡礁時には船首(せんしゅ)の右側には立たないようにしましょう
なぜなら、船長が磯との距離や波の動きを正確に確認できなくなり、接岸が危険になるからです。
安全な渡礁のためにも、船長の動線を妨げない位置で待機するのがマナーです。また、基本的には手ぶらで渡礁し、他の人から手渡しで荷物をもらいましょう。もらい忘れがないように自分の荷物の個数を覚えておくことが大切です。
 渡礁後は、荷物は波がかからない高い位置にまとめて置くことが大切です。

納竿後の片付けと「来たときより美しく」

 釣り糸やごみの回収はもちろん磯フカセ釣りでは、マキエ(集魚用のエサ)を大量に使うため、釣り場が汚れやすくなります。
釣行後は必ず海水で流して帰るのがマナーです。

実体験

 一度、釣りに夢中になりすぎて、潮位が上がっており荷物が水没寸前…。
船長から「今はいいけど満潮時はかぶるから」と言われた意味を痛感しました。
また、前の釣り人がマキエを放置したまま帰っていたことがあり、非常に残念な気持ちになったことも。
次の釣り人のためにも、釣り場はきれいにして帰りましょう。

まとめ

 沖磯フカセ釣りは、非日常の景色と魚とのスリリングなやり取りが魅力です。
 しかし、自然相手の遊びである以上、安全対策とマナーは絶対に欠かせません。
渡船予約の流れや船長とのコミュニケーション、装備の選び方を押さえれば、初めてでも安心して挑戦できます。

 次回は「季節別フカセ釣り攻略法:ターゲットと戦略を徹底解説」を予定しています。
通年で楽しめるのもフカセ釣りの魅力。例えば、メジナ釣りをしている際のアジはエサ取りとして手ごわい存在ですが、大変おいしく大きいものでしたらお土産としても喜ばれます。そのターゲットや特徴についてまとめますのでよろしくお願いいたします。

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